騙されたと思うべきか、良い体験をしたと言うべきか

知人から中古品の高級ブランド物の腕時計を頂きました。
中古品とは言え、自分では手が出せないような高価な腕時計だったので喜んで使っていました。
知人が私に譲ってくれた理由は「もう傷だらけでつけていて恥ずかしいから」とのことでしたが、私にはまだまだ綺麗に見えたし、何より腕時計としての機能をちゃんと果たしている物を放置するなんて腕時計に対して可哀想だから出来ないと思っていたのです。
シンプルなのにオシャレなその腕時計、普段使いと言うよりはやはりお出かけ用にしたいデザインです。
少々傷がついているからと言ってもそこは高級ブランド物、私は意気揚々とお出かけ用に使っていました。
ある日腕時計の針が止まってしまいました。
昔からある電池式の腕時計でしたので単なる電池切れだと思い、百貨店の中にある時計修理専門店に持ち込みました。
技師の方がパッと見て「ブランド物だけど電池交換ならここでも出来るから」と請け負ってくれました。
指定された時間に引き取りに行くとそこでビックリなことが発覚。
「この腕時計、本物のブランド品じゃないわ。すごく精巧に出来てるし見た目はそのブランドそのままだけど、中身は日本式の機械が入ってるんだよ」と。
呆然としました、恥ずかしながら私は知人から偽物を貰って喜んでいたのです。
がっくりと肩を落として落胆する私に技師の方は「でもね、ある意味中の機械が日本製のいいやつ入ってるし、中国製の見た目だけの偽物よりはるかに性能いいよ」と。
喜んでいいのか悪いのか、なんとも言えない体験でした。
とりあえずお礼を言って電池交換だけは済ませてもらいましたが、その後この腕時計は「お出かけ用」じゃなく「普段使い用」の腕時計に変身したのは言うまでもありません。
これを譲ってくれた知人は果たしてこの腕時計が本物か偽物かということを知っていたのでしょうか。
貰ってから数か月後辺りから疎遠になってしまったので今では聞くに聞けないお話です。